クルミの品種について
当農園では信濃クルミの優良品種の清香と要令です。農薬や化学肥料を極力使わず自然の恵みを生かした栽培をしています。
清香は殻果が大きく脱殻性に優れる実の歩留まりも40パーセントを超えます。カリカリ食味も良く生食と加工用にも優れます。
要鈴は殻果がやや小さいが形状的にも優れ、食味風味の観点から生食に最適です。
長野県は歴史的に日本で最大の生産地です。
鬼くるみや姫クルミは野生在来種ですが、此処で言う『菓子クルミ』とは異なるものです。
菓子クルミも大きく分けて2種類あり、テウチクルミと呼ばれる小粒の在来種と欧米種の血を引く信濃くるみ(ペルシャクルミ、イングリシュウォールナッツ)に分かれます。
信濃クルミは、欧米から導入されたペルシャクルミはテウチクルミが自然交雑しました。
その後優良品種を選択し、接ぎ木による改良が加わり晩春、清香、要鈴など品種が生まれました。
かつて長野県以外に北日本や北日本を中心に多くのクルミの生産地が点在し、たいてい家にはクルミの木がありました。
栄養価が高く、貯蔵性に優れていることもあり、古くから飢餓に備える救荒作物の観点から栽培が奨励され、郷土料理に取り入れられました。
正月や、祭り、祝いことの行事の際に必ずクルミが食卓にのぼっていました。
殻割や実の剥きで出しは老人や子供たちの仕事で、女性たちが家族のため、
時間をかけて丁寧にすって他の調味料と混ぜてそば、うどんのつけだれや山菜あえ物にしました。
在来種のくるみ(鬼クルミ、姫クルミ)や信濃くるみの一部(テウチクルミ)は、小粒で殻が硬く、脱殻後の歩留まりが低いのですが、
クルミ特有の苦み、渋み、甘みがあり各地の郷土料理や地元の菓子に幅広く利用されてきました。
クルミの木の減少や生活様式の変化に伴い、地元の習慣の希薄化が進み、くるみ文化が忘れさられようとするのは寂しい限りです。